2010年5月25日火曜日

ティンバライズ建築展

青山のスパイラルで行われている「ティンバライズ建築展」(5月30日まで)に行ってきました。開催場所がスパイラルということもあってかたくさんの人が来ていました。建築の展覧会で、しかも「都市における木造建築の可能性」といったような比較的地味な(そう感じたのは僕だけ?)テーマなのでこの人の多さは意外でした。
展覧会の内容は、木造で耐火構造を実現するための方法(木造耐火部材のモックアップ展示など)といった基本的なことから、表参道を中心とした具体的な場所に、さまざまなビルディングタイプの木造建築物の提案まであり、とても充実した展示内容だと思います。柱・梁の木造ラーメンだけでなく、木造の折板構造や二重螺旋構造など、さまざまな構造なども提案されています。
さて、都市において木造建築を実現させるとなると、一番難しいのが耐火ということだろうと思います。都市部ではそのほとんどが準防火地域や防火地域となるため、建物の規模にもよりますが耐火建築物にすることが求められることがほとんどです。近年、地方の学校施設や福祉施設などでは木造建築物とすることが多くなってきていますが(ちなみに、長岡幼稚園は「燃え代設計」による準耐火です)、都市部でやるとなると格段にハードルが高くなり、防火地域で木造なんて最初から検討しないのが普通ではないでしょうか。しかし、今回の展覧会を見て、これからは木造も選択肢のひとつになってきそうだなと感じました。
木造は身近なようで身近でない。大規模や高層(といっても5階程度)、耐火ということになると一般的な方法では解決できないことが多いのです。鉄やコンクリートと同じように工学的な視点での技術開発が進むことは大変重要だと思います。
これに関連して、木造ということで言えば、「公共建築物木材利用促進法」が5月19日に可決されるなど、国としても木造でできるものはできるだけ木造でつくりましょうという方針が出されており(主に3階建てくらいまでの低層の公共建築物を想定しているようです)、今後具体的な木造建築への支援策などが出てくれば、地方公共団体や民間にも広まっていくような気がします。

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