2010年7月26日月曜日

こちらも着工



長岡幼稚園も安全祈願祭が行われいよいよ着工です。来年2月末の竣工予定です。監理のほうも引き続き担当することができ、竣工がとても楽しみです。暑いけど気合いを入れてがんばろう。

2010年7月5日月曜日

建築はどこにあるの?

アトリエ・ワン「まちあわせ」

中村竜治「とうもろこし畑」

ちょっと前になりますが、東京・竹橋の国立近代美術館でやっている「建築はどこにあるの? 7つのインスタレーション」に行ってきました。世代の異なる7人の建築家たちによるインスタレーションで、図面や模型、建築写真といった普通の建築の展覧会とは違います。建築家が美術展に出展するということはこれまでにもありましたが、建築家のインスタレーションのみによる展覧会というのは記憶にありません。
竹橋駅から美術館に向かって歩くときはいつも、学生時代に国立公文書館(近美の隣)に毎日通ったことを思い出します。当時もそうでしたが、前を通りながらなんとなく入りにくい雰囲気のある美術館だなーと思ってました。なので、中に入ったことは数回しかありません。ところが今回は、アトリエ・ワンの「まちあわせ」という展示物が出迎えてくれます。動物のようなかたちをした竹でできた展示物で、普段はエントランス前の芝生で、なんとなくかしこまった感じの場所ですが、これによってほのぼのとした感じの場所になっています。いい具合に日陰ができたり、腰掛けるところがあったりで、外の空間いっぱいに広がって展示物があるというのもとてもいいと思います。
もうひとつ、驚かされた展示物が、中村竜治の「とうもろこし畑」という作品。もわっとした感じのボリュームがそこにあるといったらいいでしょうか。なんとも不思議な感じです。レーザーカットした厚紙をつなぎ合わせているということですが、これを作った労力とかそういうことは抜きにして、作品として圧倒されます。
その他の展示もどれも興味深く、共通するコンセプトなどはなく、バラバラといえばバラバラなのですが、それぞれ特徴があってそれはそれで面白いと思いました。でも、「建築はどこにあるの?」という展覧会タイトルは、「これが建築なの?」みたいに、ちょっと否定的に聞こえちゃうのは僕だけじゃないと思います。

2010年6月29日火曜日

吉村順三記念ギャラリー

わざわざそのためだけに行かないけど、時間が合えば必ず立ち寄る場所のひとつ、東京・目白の吉村順三記念ギャラリーに行ってきました。今回は、家内が東京に住む妹に会うということで、僕は運転手。妹さんのアパートについてからは、「どっか行ってていいよ」というので。。。
この吉村順三記念ギャラリーですが、「小さな建築展」として、毎回ひとつの作品を取り上げて、図面や模型などが展示されます。吉村事務所のOBの方などが中心になってやっているらしく、運がいいとその作品を担当した人がいたりして、直接話を聞くことができたりします。
今回は22回目の展覧会で、「御蔵山の家」です。この「御蔵山の家」は、1966年に竣工してから2回増築されて、今も大事に住まわれているということです。設計期間に2年以上かかってるらしく、さまざまなプランが検討されたことが展示からもわかります。中にはトイレが部屋の真ん中にあったりして、これはないだろうというようなプランもあるのですが、最終形がやっぱ一番しっくりとしているように思いました。最後の最後で東西を反転したりして、プランが決定しているなど、最後の最後まで検討が繰り返されている様子が伝わってきます。少しでも部屋を広くするための厚さ24ミリの合板だけの間仕切り(配線とかできません)や、仕上げ材料などからは徹底してコストを抑える工夫が読み取れるのですが、一方では、床暖房や暖炉があるなど、豊かな生活をおくるための追求がされています。この暖炉だって、躯体と一緒に打ってるので(躯体費に含まれてしまい)暖炉自体の値段はわからないなど、低コストで実現されていると思われます。いろいろな工夫が詰まった図面に見入っていると、「これが正解だと思っちゃダメですよ。こういうこともできるんだ、くらいに考えたほうがいいかと思います」なんていう解説があったりして、とても勉強になります。確かに、雨漏りや断熱のことを考えると、ついつい安全側、というか結果として過剰になってしまうのですが、「これでいいんだ。これでもいける」という感覚はなかなか身につかないなー、がんばろう、という気持ちになりました。
ところで、そんなに予算的に厳しいのになんでRCにしたのだろうかという疑問がわきます。会場の人に聞いてみたところ、「RCを木造のコストでやってみよう」という吉村順三の一言からRC造になったとかで、お施主様は、木造ともRCとも希望はとくに言わなかったということです。木造であればコスト的にはもう少し楽なはずなのに、そういったチャレンジングなところが吉村順三らしいような気がします。

2010年6月22日火曜日

やっと着工


東京の某公衆浴場ですが、昨年の11月に実施設計が完了したものの、施工者の選定に時間がかかったり、確認申請に時間がかかったりで、先日予定より2ヶ月遅れでやっと着工しました。21日は試験杭に立会い。試験杭というのは、たいてい1本目の杭で行うことが多いのですが、この現場も1本目の杭でした。この日は、ほぼボーリング調査どおりの支持層が確認され、地中障害物等もなく順調に進みました。この現場の場合、場所打ちコンクリート杭といって、アースドリルで穴を掘って、鉄筋を組みコンクリートを流し込むというやり方ですが、1日に1本くらいしかできないそうです。
それにしても、1日外にいると疲れますね。朝8時半に現場に着くためには、6時23分の新幹線に乗らなければならず、夕方にはもうふらふらでした。現場の人はこれから暑い季節なのでたいへんです。竣工は年明けですが、順調に進むことを祈るばかりです。

2010年5月25日火曜日

ティンバライズ建築展

青山のスパイラルで行われている「ティンバライズ建築展」(5月30日まで)に行ってきました。開催場所がスパイラルということもあってかたくさんの人が来ていました。建築の展覧会で、しかも「都市における木造建築の可能性」といったような比較的地味な(そう感じたのは僕だけ?)テーマなのでこの人の多さは意外でした。
展覧会の内容は、木造で耐火構造を実現するための方法(木造耐火部材のモックアップ展示など)といった基本的なことから、表参道を中心とした具体的な場所に、さまざまなビルディングタイプの木造建築物の提案まであり、とても充実した展示内容だと思います。柱・梁の木造ラーメンだけでなく、木造の折板構造や二重螺旋構造など、さまざまな構造なども提案されています。
さて、都市において木造建築を実現させるとなると、一番難しいのが耐火ということだろうと思います。都市部ではそのほとんどが準防火地域や防火地域となるため、建物の規模にもよりますが耐火建築物にすることが求められることがほとんどです。近年、地方の学校施設や福祉施設などでは木造建築物とすることが多くなってきていますが(ちなみに、長岡幼稚園は「燃え代設計」による準耐火です)、都市部でやるとなると格段にハードルが高くなり、防火地域で木造なんて最初から検討しないのが普通ではないでしょうか。しかし、今回の展覧会を見て、これからは木造も選択肢のひとつになってきそうだなと感じました。
木造は身近なようで身近でない。大規模や高層(といっても5階程度)、耐火ということになると一般的な方法では解決できないことが多いのです。鉄やコンクリートと同じように工学的な視点での技術開発が進むことは大変重要だと思います。
これに関連して、木造ということで言えば、「公共建築物木材利用促進法」が5月19日に可決されるなど、国としても木造でできるものはできるだけ木造でつくりましょうという方針が出されており(主に3階建てくらいまでの低層の公共建築物を想定しているようです)、今後具体的な木造建築への支援策などが出てくれば、地方公共団体や民間にも広まっていくような気がします。

はじめてのワイハー



アローハー。前回更新してから半年以上経ってしまいました。昨年の暮れから年度末にかけてやや忙しく、なかなか更新できませんでした。
なぜ、ハワイでもあるまいし、アローハー。と言ったのか。それはハワイに行ってきたから。「あっちこっち行ったけど、ハワイが一番いいねー」なんていう人にこれまで何人も会ったことがありますが、行ったことがない僕は「ふーん」と言うしかありませんでした。しかし、これからは「やっぱ、ハワイはいいわー」なんて言うこともできます。言わないけどね。でもまた行きたいと思いました。
さて、今回の旅行ですが、新婚旅行を兼ねるというか、ずばり新婚旅行なんですが、それと、6ヶ月になる娘も連れて行くということで、子連れでも大丈夫そうな場所はということでハワイになりました。同じホテルに5泊して、のんびりしようかという計画です。
旅行の楽しみといえば食事もそのひとつですが、おいしい食事にはあまりありつけませんでした。食事はダウンタウンのベトナム料理が一番おいしくて、しかも安かったです。でも、なぜかお酒類を置いてなくて、「飲みたきゃそこらで買ってきやがれ」と店主らしき人が言うので、近くのセブンイレブンまで行ったのですが、「身分証明書を見せてくれないと売れません」ということで売ってもらえませんでした。「ホワイ? ア、ア、アイアム、サーティシックスイヤーズオールド」って言ってもだめ。後で聞いたら、20代に見える人には一応身分証明書の提示を求めるというのがこの街のルールのようです。ビールが飲めなくて悲しかったのですが、20代に見られたということはうれしいような気もします。
その他、カヤックに乗ったり、ドライブしたり、一日買物地獄だったり、マウイ島でサトウキビ列車に乗ったり、ハレアカラ火山でパワーをもらったり、「ハワイの風気持ちいいねー」なんて言ってみたりと、意外に忙しく、ビーチでビールを飲みながら読みかけの村上春樹『1Q84 Book3』を読むなんてことはできませんでした(帰ってきてから読み終えたけど、そんなに売れる本か?って感じもしました。とくにBook3は話がなかなか展開しない。やっぱ、僕もそうですが、村上春樹はとりあえず買う、みたいな人が日本には100万人以上いるということでしょうか)。ハワイははじめてだし、ビーチでのんびりなんてわけにもいかず、あちこち行きたくなってしまいます。でも、次にハワイに行くときは、もう少しのんびりしたいと思いました。